1.ビールの起源
ビールの歴史は古く、紀元前4,000年頃のメソポタミア時代にまでさかのぼります。
紀元前2,500年頃のエジプトではかなり盛んにビール作りが行われていましたが、
当時は薬草などをくわえて、薬として用いることが多かったようです。
2.ビールの発展
15世紀末にドイツのバイエルン地方において、低温で発酵する酵母を用いた「下面発酵方式」が開発されると、
味がまろやかで香りも良く、腐敗の少ない醸造が可能になった。
また、この頃、ホップがビールの苦味付けの素材として使用されるようになり、現在の姿に近づいてきた。
19世紀中頃に、チェコのピルゼンで醸造された淡色の下面発酵ビールは、その洗練され、優れた香味と黄金色の美しさで全世界に広まった。
日本でビールの醸造が始まったのは、明治時代以降である。
発酵法 | 色 | 名称 | 特徴 | 原産国 |
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上面発酵ビール (上面発酵酵母使用) (常温発酵) |
淡色 | ペールエール | ホップを効かせたフレッシュな香り 赤褐色 |
イギリス |
ヴァイツェン | 小麦麦芽を使用し、苦味が弱い ヴァイツェン酵母による華やかな香り 泡立ちが良い |
ドイツ | ||
ケルシュ | 琥珀色でまろやかな味 アルトより香味が華やかで苦味が少ない |
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褐色 | アルト | 赤紫がかった褐色 苦味の効いた、すっきりした味わい |
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濃色 | スタウト | 黒色ビール 香ばしい香りと濃醇でやや酸味がある |
イギリス | |
下面発酵ビール (下面酵母使用) (低温発酵) |
淡色 | ピルスナー | 世界の主流になっている 淡い黄金色でホップの効いた爽快な味わい |
チェコ |
アメリカビール | 苦味が弱く軽快な味 炭酸ガス含量が高い |
アメリカ | ||
ドルトムンダー | 苦味が弱く、アルコール分が高い | ドイツ | ||
褐色 | メルツェン | 琥珀色でピルスナーよりアルコール含量が高い 麦芽の香味が生きたまろやかな味 |
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濃色 | デュンケル | 濃褐色 甘く香ばしい麦芽の香り |
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ボック | ホップが効いた濃厚でアルコール度数が高い 最近は淡色のものもある |
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自然発酵ビール | ランビック | 小麦を使用し、培養酵母を添加せず自然の酵母で発酵させる酸味が強く、複雑な香味を有する | ベルギー |